近年、転職市場上で採用が決まると歓迎される職種の一つが「看護師」ではないでしょうか?
看護師の入社後は高給で、幸せな生活が・・というイメージがある人も少なくないかもしれませんが、追究していくと意外と普通の会社員とあまり変わらない転職後を迎えている看護師が多いように感じました。
ここでは、転職したばかりの看護師が短期間で「看護師に本当は向いていないのでは?」
「職場が合っていない」と感じるのはどんな時かをお伝えし、そう感じたときにどうしてほしいかをアドバイスしています。
宜しければ参考にしてください。
看護師が転職後すぐに辞めたくなる原因は?

看護師が転職後すぐに辞めたくなる原因を探していったところ、転職が多い年齢層、転職に失敗したと感じた看護師の転職先、転職に失敗したと感じた時期や理由など様々なデータが出てきました。
1番参考になったデータが「転職に失敗したと感じた時期や理由」になりますので、そのデータを掲載します。
【転職に失敗したと感じた時期】
転職に失敗したと感じた時期 | 割合(%) |
入職前 | 8.16 |
入職後1週間以内 | 24.49 |
入職後1か月以内 | 24.49 |
入職後半年以内 | 22.45 |
入職後1年未満 | 6.12 |
入職後1年以上 | 14.29 |
【転職に失敗したと感じた理由】
順位 | 転職に失敗したと感じた 理由 | 割合(%) |
1位 | 忙しく、定着率が悪い | 20.5% |
2位 | 人間関係、上司のパワハラ | 17.8 |
3位 | 満足のできる医療ができず やりがいが感じられない | 15.1 |
3位 | 希望(配属先・残業時間など)が違った | 15.1 |
5位 | 引継ぎがなく教育体制が整っていない。 | 9.6 |
5位 | 給料の減額や昇給率の低さ | 9.6 |
7位 | 休暇がとりにくい | 5.5 |
8位 | 責任が大きくなった | 4.1 |
9位 | その他 | 2.7 |
上記の表によると、1番多い時期として「入職後1週間以内から入職後半年以内」が1番多いと見受けられます。
前の職場と新しい職場とのギャップが生じてくるのもこの時期と言われています。
こういったことが起こる事が多い人の特徴としては、1番は転職前に思い描いていた事が入社後になって全く違っていたという事が多い方です。
次にどんなことが原因で悩んでいるか?つまり転職に失敗したと感じた理由で多いものを挙げさせて頂きました。
1番多かった理由は、医療現場らしく「忙しく定着率が悪い」ということが挙げられます。
順に挙げていきますと、2位は「人間関係、上司のパワハラ」、3位は「満足のできる医療ができずやりがいが感じられない」、「希望(配属・残業時間など)が違った」などです。
看護師が転職後すぐに辞めたくなる原因3つ

上位の原因いくつかを挙げてまとめてみると、下記の要因が考えられます。
- 忙しく定着率が悪い
- 人間関係、上司のパワハラ
- 希望(配属・残業時間など)が違った
それぞれの転職要因に関する解説します。
忙しく定着率が悪い
職場環境に問題がある典型的パターンです。
具体的な例としては、業務量が多すぎて行き届かず、患者のクレームが多い、夜勤明けの残業があって体力的にきつい、看護助手がやるべきことを看護師がしないといけない、などが挙げられます。
人間関係、上司のパワハラ
女性同士の職場でチームワークが必要であるという事から、「女性同士でうまくやっていく」事の難しさがあると推測されます。
例えば上司からパワハラを受けて自信をなくす、自分は看護師に向いていないのでは?と思ってしまうなどの悪循環に陥ってしまう、先輩看護師からの指導が厳しすぎてついていけない、職場で陰口を言われたり物を隠されたというケースもあるとの事です。
希望(配属・残業時間など)が違った
サービス残業が多い、完全週休2日制ときいていたのに実際は違っていた、通勤手当に実際上限があった、給与から天引きされるときいていない会費が引かれている、基本給はそのままだったが、入職前に支払うと言われていた手当が支払われていない、こういった入職前と入職後のトラブルが会社員と同じように発生しています。
看護師が転職後に退職を実行する前にやっておくこと

その職場が例えばパワハラがひどく、上司に相談しても改善されないなどすぐに退職するべき職場だというケースもありますが、すぐに退職してしまう前に一旦様子を見つつ、職場に対して下記の行動を実施してから退職を検討するということも一つの方法でしょう。
いくら人手不足の職種であるとはいえ、新しい応募先の職場に「短期間でまた同じように何か不満があればすぐに辞めてしまうのだろう」と思わせてしまうのは損です。
更にまた新しい職場で同じことを繰り返し、転職回数が増えてしまうだけではなく1社1社の在籍年数が短いままの状態が経歴書上で続いてしまうのももっと損ですよね。
「やっぱりあの時考え直しておけばよかった」ということにならないよう今の職場でできることをやりつくしてから再就職に向けて動き出す方が良いスタートをきることができますし、後悔の気持ちも残ることが少ないでしょう。
- 信頼できる上司や仲間に相談する
- 仕事をしながらやりがいを探してみる
- 職場や業務上、給与条件の中で合わない部分でなく、魅力的な部分を探す
- 職場内で異動できないか交渉してみる
信頼できる上司や仲間に相談する
人間関係のトラブル、業務内容など何か小さなことでも相談したいことがでてきたら一人で抱え込まずにまずは一度上司もしくは相談しやすそうな仲間に相談してみましょう。
最初は、自分の希望を上手く伝えられない場合が多いと思いますので伝えたいことを紙に書いてまとめてからでもよいと思います。
その際に相手に「もっとどうしてほしいか?」を上手く伝えられるかがカギになってくるでしょう。
一度、二度だけでなく根気強くお願いしてみることも一つの手段と考えらえます。
仕事をしながらやりがいを探してみる
仕事をしている時が辛ければ、業務の中で小さなことでもよいのでやりがいを見つけてみると意外とその仕事に対して集中しやすくなっていきます。
例えば10分かかる仕事を5分で効率よく仕上げるにはどうすることが有効か?と試行錯誤の末に考えて実行すれば、その業務がチームの役に立つことはもちろん、もしかしたら患者様から「ありがとう」と感謝されるきっかけになるかもしれません。
そういった先のことを考えながら、今現在目の前にある何気ない仕事が大きな意味をもつ業務に変わることだってあるかもしれません。
すぐに実行してみてください。
職場や業務上、給与条件の中で合わない部分でなく、魅力的な部分を探す
どの職場や医療機関に配属されても合わないことや嫌なことの1つや2つは必ず存在します。
それは人間関係でも同じことが言えると思います。
入社後にすぐ職場を辞めたくなっている人は、まず今いる職場に対して自分と合わない部分だけ見つめていないか考え直してください。
時間がある時に紙を1枚用意して今の職場で合わないところと逆に魅力的なところを1度箇条書きで書いて整理していくのも有効な手段と言えます。
紙面に起こして整理することによって頭の中が整理されて冷静に見つめなおせるいい機会になるでしょう。
職場内で異動できないかなど自分の希望を相談してみる
入社後に上記の実行すべき行動をやりつくしたにも関わらず、それでもよい方向に改善されなかった場合は他に異動できそうな部署がないか探してそこに異動できないか上司に交渉してみてはどうでしょうか。
また、給与条件や残業などの希望が入社後きいていた話と違っていた場合も同様に1度は上司に希望を伝えて改善してもらえるようにお願いしてみましょう。
最初は勇気がいるかもしれませんし、必ずしも希望が通るとは限りませんが何もしないで黙って退職してしまうよりは後悔が残らないのでおすすめの方法になります。
まとめ
今回は転職後に職場や看護師という職業が向いていないと感じたら再転職を検討する前に是非とってほしい行動について解説いたしました。
転職活動というと「入社するまでがゴール」でその先を軽視しがちのようですが、実際の転職活動は内定を頂いて、「入社後本当に自分とその職場がきちんと合っているか」を見極める期間が本当の転職活動の状態である気がしています。
またそれが内定を獲得して入社するよりも本当に大切なことであるのではないかと経験や執筆していて痛感する次第であります。
もし、再就職を検討するのであれば、検討するなとはいいませんがその判断や決断が本当に正しいか?また退職届を出す前に今一度抱えている人間トラブル、条件や待遇ミスマッチは上司など周囲の人間に相談して改善しようとしたかなど振返ってください。
何もしないまま退職してしまうと、次の新しい職場でも同じことが起きれば同じことを繰り返してしまいがちです。
そうならないように行動力と改善術を身に着けてスキルアップに活かしてほしいと思っています。