看護師の仕事は多忙を極まるため、様々な悩みを抱えながら、日々、業務に励んでいます。
看護師の役割は、人々の看護に携わり、健康で幸せな生活を送りたいという患者の願いに寄り添い、身体や心のケアを行うことです。
医療的な措置に加え、患者の望みや悩みを少しでも解消するという大切な仕事です。
ただし、看護師も一人の人間です。
仕事上の悩みやプライベートの問題など、悩みを抱えていない看護師はいないでしょう。
ではその悩みとはどのようなことでしょうか。
その悩みを解消すれば、転職などを考えなくてもよいのでしょうか。
あなたに病棟看護師から少しでも楽な仕事に転職したいと考えている気持ちが少しでもあるなら、そのメリット・デメリットを理解した上で、再度考えてください。
今回は、転職を考えている看護師が後悔しない転職をするために知っておくべきことをまとめましたので、参考にして下さい。
看護師が転職したい理由とは

看護師が仕事を辞めたい思う理由は、年齢や経験などにより様々ですが、大きく分けて次の5つに分けられます。
職場の人間関係
最近は男性の看護師も徐々に増えてはいますが、それでも女性が多い職場であることに変わりはありません。
特に20代や30代の若い看護師は、すべての仕事を迅速で確実に行うようなスキルが身についていないこともありますから、厳しい指導やいじめの対象になることもあります。
また先輩看護師の指導が厳しいほど、プレッシャーを感じやすく、ストレスも溜まります。
給与が低い
業務量が多く、責任が重い割に、給与が少ないと感じている人もいるでしょう。
看護師の給料は、一般的な会社員に比べ多いという印象がありますが、夜勤や残業代が含まれているだけで、特に高いわけではありません。
特に正社員ではなく、パートの看護師は、更に低い傾向にあります。
ライフワークバランスが保てない
勤務する病院によっては勤務体制が3交代制もあれば2交代制もあります。
看護師の人員数によっては交代制であっても必ず必ずシフトが守られるとは限りません。
休日の予定でも、急患の対応や代務など、予期せぬ仕事が入ることもあります。
特に結婚、出産を機会に、家族との時間を大切にしたい気持ちとは裏腹に現実は仕事に追われる日々を過ごします。
仕事とプライベートな時間との両立は難しい職種です。
過剰なストレスによる疲れが続く
病棟での看護師が多くの患者を診ています。
必ず医師が常駐しているとは限らないため、看護師の判断による医療措置が必要な時もあります。
迅速で適切な対応を求められるため、ミスは許されません。
その状況が続く職場では、過剰なストレスが溜まることにより、思いもよらないミスを誘発し、患者の命を脅かす可能性もあります。
看護師を続ける自信がない
看護師の業務は激務の連続です。
また通常の業務に加え、患者の病気や症状を把握し、適切な対応を行うために常に勉強も必要です。
その繰り返しの日常で、知識はあっても実務が伴わなければ、自信をなくす可能性もあります。
責任の重さに耐えられず、落ち込んでしまえば、ますます看護師の仕事が嫌になります。
転職が最善の方法か見直してみる

転職を考えている看護師は、看護師を辞めずにスキルを生かして別の病院に転職するのか、夜勤がなく残業も少ない転職先を選択しなければなりません。
その選択を誤ると、現在の職場より満足できない仕事に就いてしまいます。
病院では、医師の指示書に基づく医療処置の介助や医療行為が主な仕事になりますが、看護師の資格を生かした仕事は病院以外でも探せば多くあります。
看護師の知識や経験などを広く活躍できる職場は夜勤や不規則なシフトがなく、あなたが求める仕事に辿り着く可能性があります。
今まで以上にスキルアップを望むのか、今のスキルを生かして他の仕事を探し、仕事に追われない日々を過ごすのか、あなたにとっての最善策を考えてみましょう。
看護師を辞めるべきでない理由

看護師を辞めるべきでない理由にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは看護師を辞めるべきでない理由を解説します。
人間関係
看護師の職場以外でも人間関係で悩まない職場などはありません。
看護師という職種が特別ということでなく、職種、業種か関わらず、人との関わりが必要になります。
転職したからといって、人間関係が良好に保てるとは限りません。
人間関係が辛いという感覚は働く人にとっては避けて通れないことです。
あなたが信頼される人になれば看護師という仕事は充実したものになります。
仕事がきつく、不規則な勤務
看護師の仕事量は決められた業務以外に突発的な業務も発生すると基本的に残業となります。
またシフトの変更や人手不足による夜勤回数の増加により、不規則な勤務が続き、一般の会社員のようにカレンダー通りの休みにはなりません。
しかし、仕事のやりがいとしては他の職種に比べ、格段に高く、必要とされる職業であることに間違いはないでしょう。
医療ミスが怖い
これはすべての看護師が持っている恐怖心です。
看護師は医師の同様に、患者の命を預かる責任が重い仕事です。
些細なミスでも医療事故に繋がる可能性はありますが、看護師である以上は、その怖さと向き合うのは仕方のないことです。
患者は看護師を頼りにしていますから、その使命に誇りを持つべきです。
医療ミスは起こさないことが大前提ですが、些細なミスでも次の行動に生かせば自信に繋がります。
自分の判断に自信に不安がある場合は、先輩看護師などに指導を仰ぎ、協力を求めることも必要です。
ライフワークバランスが保てない
人生には結婚、出産、子育てと様々なイベントが起きると、今の生活環境で大丈夫か不安になります。
特に看護師という仕事は、病院などの勤め先での働き方や人員の関係で、生活に支障が生じても職務を優先しなければならない時もあります。
家族の理解を得ることも大事ですが、自身の健康にも気を配る必要があります。
仕事を優先するため家族との時間がなくなる、子供の行事に参加できないなど親子関係に溝を生じる可能性もありますので、家族と話し合うことが大切です。
スキルや知識を求められる
看護師は常にレベルアップしていかなければならない仕事の一つです。
夜勤の忙しい時間でも勉強し、常にスキルアップを望まれます。
転職を考える際の大切なポイント

看護師には、病院以外でも働ける仕事はいくつもあります。
今の仕事より少しは楽になる職場もありますが、それぞれメリット・デメリットはありま
す。
仕事内容などをよく考えた上で転職先を見つけましょう。
今の職場より楽になる就職先を選択することで、長く仕事が続けられるというメリットが
あります。
(自分にとってメリットのある就職先の条件)
・夜勤、残業がなく、定期的な休日がある
・患者が重篤でなく、落ち着いて業務ができる
・高度な医療スキル、看護を必要としない
・急な休暇も認めてもらえる
・勤務地への車通勤が可能
看護師の資格を生かした転職先
ここでは病院以外の看護師の就職先を紹介します。
自分が理想とするライフスタイルやスキルに合った職場を探している方は参考にしてください。
外来クリニック
主に医師の介助を行います。夜勤をしない条件では、無床のクリニックを選択します。
この仕事に向いている人は、急な残業がほぼないため、仕事と家庭を両立したい人といえます。
介護施設(デイサービス、老人ホーム)
自宅の介護者の負担を減らす、高齢者の看護などの支援を目的としています。
利用者の健康管理などを行い、必要であれば、胃瘻や人工呼吸器の対応、急変時の対応を行います。
この仕事に向いている人は、介護の仕事にも精通し、利用者や介護士ともコミュニケーションが取れる人です。
障害者福祉施設
障害者や障害児を支援するための施設や就業・生活支援などを行う施設です。
利用者の健康管理、食事などの日常生活支援や必要時には胃瘻管理、吸引などの医療管理を行います。
この仕事に向いている人は、利用者一人ひとりと向き合え、やりがいを見つけられるなどコミュニケーションが取れる人です。
訪問看護
自宅で療養生活を送る被介護者への医療処置を医師の指示書に基づき行います。
また、介護者の負担の減少や生活環境などのアドバイスも行います。
この仕事に向いている人は、一人一人の患者にじっくりと向き合え、悩みなどを一緒に解決していこうという意思が強い人です。
美容整形外科、美容皮膚科
整形手術を行う「美容整形外科」とニキビや脱毛などを行う「皮膚美容科」があります。
看護師は受付、電話対応から患者のカウンセリングなどの仕事を行います。
この仕事に向いている人は、美容や肌の悩みに対して共感し、その意識が高い人です。
健診センター・献血ルーム
健診センターでは、定期健康診断や人間ドックなどの健診を専門的に行う施設での検査サポートを行います。
通常、看護師には予め担当が決められており、その業務を日常的に行うとともに、健診の予約受付、診断結果のチェックも行います。
また、献血車などで企業や地域に訪問することもあります。
この仕事に向いている人は、同じ作業の繰り返しでも苦にならず、的確に素早く作業ができる人です。
産業看護師
企業の産業医の診察補助、健康診断補助、健康やメンタルヘルスの相談など社員の心身の健康を維持する仕事です。
この仕事に向いている人は、企業で働く社員などの健康維持を目的とする仕事に興味を持つ人です。
治験コーディネーター
新薬の開発に必要な治験を調整し、治験に関わる計画書の作成や準備、治験者の同意書の準備などを行います。
ただし、その治験者に副作用が生じた場合の対応も行う必要があります。
病棟看護師から楽な転職先を決める際のメリット・デメリット
病棟看護師から楽な転職先を決める際のメリット・デメリットは以下のようなことが挙げられます。
(メリット)
〇生活リズムが保てる。ほぼ定時で帰れ、残業も少なく、夜勤がないため、不規則な生活にならず、体調管理がしやすくなります。
〇日勤のみで残業もないため、育児中の方やプライベートの時間を大切にできます。
〇夜勤がないことで、煩わしい職場の人間関係から解放されます。
(デメリット)
●給与が下がります。夜勤や残業が減るため、仕事内容と給与が見合わないと改めて感じ、モチベーションが下がる可能性があります。特に正社員でなく、パートで採用された場合も給与は下がります。
●平日に休みが取れないことがあります。夜勤がないため、土日以外はすべて勤務となる場合が多いため、平日の休みを希望しても必ず休めるとは限りません。
●スキルアップが望めない。毎日が定期的な対応が終わるため、看護師としてのスキルアップは望めません。日常のケアや処置が主な仕事となるため、病棟看護師のような特別なスキルを身につける機会がなくなります。
●求人が少ない。夜勤なしの看護師の求人であれば、正規雇用ではなく、パート勤務が多いです。パート勤務だと、社会保険や退職金制度などが整っていない場合があります。
病棟看護師から夜勤なしへの看護師の仕事はたくさんあります。
どのような働き方をしても看護師の資格は生かせます。
あなたがどのような働き方を望み、自分の個性が生かせることができるかによっても転職先は異なります。
まとめ
この記事では、看護師が少しでも楽で働きやすい仕事を探す人にとってのメリット・デメリットや転職先を紹介しました。
看護師は病院勤めというイメージを持つ人が多いですが、実は働き方は多くの選択肢があります。
看護師は他の職種に比べ責任は重く、また不規則な勤務体制や職場の人間関係も複雑でストレスを抱えやすい仕事ともいえます。
しかし自分のライフスタイルの変化によってその働き方を変化させることで、今までとは違った価値観や生き方で、その人に合った看護師として働き続けることはできるはずです。
今の職場や働き方に悩んでいる人は、働き方を見直し、新たな働き方を一度検討してみてはいかがですか。